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そうでないと、進まない気がしてきました。
頭の中では、いろいろ回っていますが...
社会人話も、まだ一話分には足りない。
ファンタジーは、出だしのワンシーンだけ(二人の出会いの場面)...
猫話は、どんづまり。
雨が降るは...どこへ行った?(笑)
なので、ちょっと横道それますが、初期にあった設定の話を少し。
暗いです。
ニール視点の話です。ティエリアはお人形です。
それでは、どうぞ。
愚かなるもの。
それは貴方。
いいえ、私。
それとも....。
最後に残ったのは、ただ愚かなだけの恋人達。
「貴方は愚かだ...」
貴方の緑の瞳が好きでした。
貴方の柔らかな癖のある髪が好きでした。
貴方の大きな手のひらの温もりが、好きでした。
あまりにも多くのものを望んだ私に与えられた、これが罰。
恩師が死んだ。
突然のことで、キャンパス内を行き交う人々の口から聞かされる内容が、未だ実感できない。
無口で気難しい初老の、だが本当はとても寂しがりで気の良い男だった。
何時も建物の一番端にある、訪れる者などいるのかというような忘れ去られた研究室の片隅で、一人何かに没頭していた。
埃だらけの机の上には、無造作に置かれた写真立て。汚れたフレームの中で控え目な笑顔を向けているのは、とても愛らしい幼い少女だった。
教授の娘さんだろうか。
聞きたくても聞けなかった。
何故なら、俺だって一度くらいは噂を耳にしたことがあったからだ。
彼の家族はとうの昔に、事故で死んだ。
彼は身寄りもなく一人ぼっちだった。
わけのわからない研究に日々を費やし、大学からもまるで厄介者のような扱いを受けていたが、若い頃は優秀な人材だったらしい。
小さく丸まった背中が哀愁を感じさせ、何がこの人を苦しめているのか、何を後悔しているのか...自分は、こんな風には年を取りたくないと思った。
―― 例のお人形さんは、どうなるんだろうな?
..... 人形?
―― 何だ、 知らないのか?
教授の研究室の窓辺に、何時もただ静かに座っている少女を。
身動ぎ一つしない、まるで呼吸さえしていないかのような、
作りもののようにも見える人間離れした造作の横顔が、生徒たちの視線を捕らえて離さない。
まるで大昔の古典舞踊、コッペリアのようだってさ。
友人の言葉さえ、耳を素通りする。
静まり返った空間で不気味に軋む音を立てて開く、古びた一枚の扉。
主を失い、光さえ遮られたその部屋に、彼女はいた。
友人の話のとおりに。窓辺で椅子に座って。
癖のない菫色の髪を背中まで垂らし、神秘的な紅玉の瞳は遠くを見つめ、品の良い桜色の唇は微かに微笑んでいた。
そこへ辿り着くまでの数秒。
彼女は身じろぎもせず、呼吸する気配もなかった。
やはり、人形か。
しかし教授の専門は、確か...。
ぽっかりとあいた異次元への入口。
俺はこの日、重い足取りで、だが確かに自身の意志で、その世界へ足を踏み入れたのだ。
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基本はロックオン×ティエリア、甘くはないです。
更新はマイペース。気長にのんびり、大きなお心でお付き合い頂けると嬉しいです。