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そろそろ佳境に入ります。
今まで長々と、ティエリアのセンチメンタル・ポエミィ(笑)をやってきたので、ラストはやはり戦闘でしょう。
この話は、一応本編の空白の4年間という設定なので、ガンダムは出てきません。
我らが威勢の良い紫さんは、偵察艇で出ました。
なぜ、戦闘機じゃないのか...それは、今後の話の展開のためのご都合(苦笑)
ところで、本編セカンド第2話。
ティエリア、思いっきりライルさん否定してましたけど、これ、今後覆されるフラグかな~と何となく思いました。
―― なぜ、そのような事を?
―― 技術をもった人間を育てるのは、決して容易なことではありません。
最初からその目的ために人を作りあげたとしても、時間がかかります。
一番早いのは既にある肉体に、既存のデータを植え付けることですわ。
足が重い。腕が、全身が鉛のように重かった。
何より、心が。
平然と『計画のため』という大義名分を掲げる女性。あの不敵な笑みはどういう意味だろう。
以前の私なら、やはり同じように何の躊躇もなく受け止めただろうか。
呆然とする私に突きつけられた、留めの言葉。
―― あなたも、ご存知なのではありませんか?
ソレスタルビーイングは契約時に、「必用とあらば、個人の持つ経験や技術の
データを流用させていただくこともあります」と、申し上げたはずです。
確かに、契約事項にはあった気がする。
契約後閲覧したヴェーダの情報の中に、その旨はハッキリと記されていた。
当然のように『Yes』と答えた人は、自分がそんな風に利用されるなんて考えてもみなかったに違いない。
きっと、あの人も。
似ている、と感じたのは...。
だが、コピーされたのが”狙撃手”としての経験と技術だけなら、人格は元々のあの彼のものなのか?
―― 承諾したご本人は、きっと余程の覚悟だったかと思われますわ。
それでも、成し遂げたい事がおありだったのでしょう。
あの人の成し遂げたかった事。
世界を変えること。家族の仇を討つこと。
失われた過去ばかりではなく、ほんの少しでも未来に通じる何かが、そこには存在したのだろうか。
警告音が響く中、慌てて別のシュミレーション台から飛び降り駆け寄る影が見えた。
気づけば、無粋な騒音を奏でているのは私の操る機械だ。
「どうしたんですか? ボーとなさって。あなたらしくありませんね」
画面には「終了」の文字。
流れる数値は惨憺たるもの。
私が、こんな結果を出したのか。今更なこんな機械を使ってのシュミレーションで。
「少し、歩きませんか?」
傍らに立ち、身を屈めながら覗き込んでくる明るい金髪がまぶしく、瞳の碧は優しく揺らめいていた。
「宇宙は深いですね。残念ながら、ここでは地上と違って、風にあたりましょうとは参りませんが。それでも、この壮大な景色は一見の価値があるかもしれません」
「君は、地球の育ちなのか?」
「ここにくる前は、地球で少し訓練を受けました。地上の空気は肌に心地よく、癒され、落ち着きます」
「宇宙(そら)もいいと思う。いや、思っていた。今となっては、悲しい思いでの場所だが」
一面に巡らされたウインドウ越しの宇宙は、どこまでも広く暗く、無慈悲なまでに冷たい。
「何か、お辛いことでも?」
「君も、これから体験するかもしれない」
数多の命を瞬時に飲み込んだ無情な空間は、爆煙と轟音の果てに、静寂に返る。
かつて流された多くの血も涙も覚えてはいない。
「それを感じるのも、人なのだろう」
そう、あの人が教えてくれた。
世界にか人間であることにか絶望し、全てを投げ打って新たな人生を手にいれた私に、改めて人としてやり直す術を。
「不思議ですね。私は、今は人間であること、こうして呼吸をし、言葉を話し、手足を動かしていることにとても喜びを感じています。ですが、以前の私は...どうして、自分自身を否定したかったのでしょう?」
「失ってみて、初めて気づくものもあるということか...」
それもまた、人間。
第一報は、何の前触れもなく突然舞い込んできた。
地球の各所でテロらしき事件が立て続けに起きたと知らされたのは、それから間もなく。
ようやく、世界は一つに纏まりを見せていたというのに、やはり見せかけの平和は続かないらしい。
地上での出来事を皮切りに、余波はこの宇宙(そら)の深淵さえ揺るがした。
「コロニー内部にある軍事機関にて、本日未明、謎の武装集団による無差別攻撃が行われました!」
「どうやら、狙われたのは....」
「モビルスーツ部隊が発進した模様!」
切迫した声が飛び交い、辺りに張りつめた空気が漂う。
混乱した施設内に次々と報告されるのは、再び動きだした運命の歯車が軋む音。
逃れられない、再びあの場所へ。
「何でもいい。出られる機体はあるか!?」
「作業用、偵察用の小型艇と、あとは訓練用の...ですが...」
「構わない。様子を見て来るだけだ」
ノーマルスーツに着替え、ヘルメットを抱えてカタパルトに続く通路を走る。
長く忘れていた感触が蘇る。体中の血が逆流する。
背後で激しく口論する男たちの声が聞こえたが、構わず小型艇に乗り込む。万一を考えて武装のある偵察艇を選んだ。
発信と同時に、付き従う戦闘機がモニターに映った。
「何をしている! 戻れ!」
「いいえ、私もお供いたします。お連れ下さい! 足手まといにはなりません!」
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基本はロックオン×ティエリア、甘くはないです。
更新はマイペース。気長にのんびり、大きなお心でお付き合い頂けると嬉しいです。