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ガンダムOOの二次創作(小説)サイトです。基本はロクティエ。迷い込まれた方は速やかに、回れ右!をお願いします。
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本日3回目の大雨&雷さんが、無事気持ちを静めてくれたようです...
いやはや、少し前のはすごかった。
おかげで、PCが立ちあげられず、ベッドの上で携帯握りしめてゴロゴロしてました(笑)

平日に、なかなか時間がとりにくくなったため、休日には頑張っていますが、これ9月中に書き終わるのかな?


時の果てで、第3話です。
今回、ティエリアと名無しのオリキャラしか出てません。

MSの操作、反射速度、運動能力、持久力、どれをとっても一番だな。おまけに動態視力と集中力も抜群。射撃の腕も確か。
...あとは、本人の覚悟と人柄はどうか。


規則正しくキーボードを叩いていた手を止める。
眼鏡をそっと外し、テーブルの傍らに置いた。
昼間垣間見た光景が、まざまざと脳裏に蘇ってくる。


王留美の指示だと言われ、案内されたのは組織内でも極秘とされている場所。マイスターの欠員を埋めるため選ばれた候補者達の、訓練所だ。
若い、恐らく二十歳前後と思しき男が三人いた。
暫く彼らの様子を観察し、最後に意見を求められた。
自分は、見たまま感じたままを答えた。
一人だけ抜きん出た動きを見せていた人物。──照準は自然と彼に合う。
風貌はまだ十代後半かと感じさせる程に幼い。恐らく中では最年少。
意思の強さを称えた碧い瞳は、野生の生物が獲物を射ぬくような鋭い輝きがあった。
白くしなやかに伸びた四肢、表情の乏しい整った顔立ち。
一瞬こちらに彷徨わせた視線が、私の全身を焼き尽くすかと思う程、強烈で印象的だった。


コンピュータに向かい、データを探る。
彼の情報は少ない。
名前や出身地はもちろん、過去も一切不明。
ただ、新しいマイスター候補の一人として、現れた。
あの人の、ロックオンの代わりに。
残る二人は、まだ所在こそ掴めてないものの、死亡が確認されたわけではない。
よって、二つの席は保留扱い。
空いた席に用意されているのは、狙撃型のガンダム。
つまり、あの人と同等もしくはそれ以上の腕が求められている。


翌日、私は単身彼に会うため出向いた。
彼は私の姿を認めて僅かに表情を変えたが、すぐに元の無表情に戻る。

「邪魔をしてすまない。気にせず、続けてくれ」

そうは言っても、君に用がある、と顔に書いてあったらしい。
彼はなかなか訓練に戻ろうとはしない。

「貴方が、俺を推薦してくれている、と聞きました」

抑揚のない声が響く。昨日の今日で、随分な手回しの良さに苦笑した。

「俺を認めてくれた理由は?」
「君が、一番優秀だったから。我々の求めているのは、優秀な狙撃手だ。君は充分及第点に値する」

少年…と言って差し支えないだろう…の双眸が、大きく見開かれる。

「本当に?俺には、素質がありますか?」
「もちろん。だから、君はここにいるんだろう?」

先程とは別人のように、彼が破顔する。
僅かに紅潮した頬は、なるほど年相応に見えた。

「有難うございます!」

紛れもなく、己を認められた評価に歓喜する、気持ち良いくらいに初々しい少年だった。


間もなく次なるステップへと進む。
操縦に慣れるための練習機を駆って、対MSを想定した模擬戦。
私は自ら相手役を名乗りでた。
あの日見た彼の腕前を、もう一度この目で確かめたかったから。
思った通り、射撃も戦闘技術もセンスは抜群。特に、離れた的を正確に狙い撃つ時のタイミングやその前後の無駄のない動きは、まるで誰かさんの再来だと思える。
世の中には似たような性質を持つ人間がいるものだ。
驚きを通り越した感嘆のため息が漏れる。
だが、似ているのはそれだけではなかった。

「コードネームは?」
「まだ、ありません」
「では、何と呼べばいい?」
「貴方のお好きに。俺には、過去の記憶がありませんから」

彼はまだ正式にマイスターとして任命されたわけではない。
だからコードネームがない。更には記憶もないという。
自分と同じ契約をしたのか?
過去を捨て、人間である事を捨てて。
それでも成したい何かがあった?
私は後悔はしていない。今は、ほんの少し馬鹿なことをしたと、思ってるだけだ。
失った過去は二度と取り戻せない。
今度は失いたくはなかった。
どんなに辛い記憶でも。

「とりあえず名前などはなくても、不自由はない。それより、君はまだ若い。どのくらいの覚悟が出来るか?」

彼を試すかのような言葉。
これだけは聞いておきたかった。
今まで生きてきた全てと引き換えにしたのだ。相当の覚悟がある、と。本人の口から。

「俺は、年なんか関係ないと思っています。若くても、思いも願いも同じ。与えられた力で、ガンダムで世界を変えたい、それだけです」

何処かで聞いた。
昔、四人めのマイスターの若さに疑問を抱いた私とアレルヤに対し、最年長のあの人が吐いた。
この少年は、そんなところまで、あの人に似ている。
忘れていた、いや忘れようと努めてきた何かが、一気に溢れ出す。
忘れたくなくとも、保身のため無意識に閉じ込めた。
崩壊する記憶の砦を塞き止める術は、私には無かった。
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プロフィール
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   あかり
性別:
非公開
職業:
   猫好き
趣味:
   読書、ものを作ること
自己紹介:
ガンダムOOのパロディ小説がメイン。
基本はロックオン×ティエリア、甘くはないです。
更新はマイペース。気長にのんびり、大きなお心でお付き合い頂けると嬉しいです。
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