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ガンダムOOの二次創作(小説)サイトです。基本はロクティエ。迷い込まれた方は速やかに、回れ右!をお願いします。
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そうだ、今日はもう本編の放送はないんですね...
何となく習慣化してしまい、夕方五時にはTVの前へ(笑)
「鋼の...」は、とっかかりは普通に面白かったです。
エドの声...リジェネと全然違うやん。当たり前。リジェネは性別不明、エドははっきり男!
でも、リジェネの声の方が好きです。
アルはネーナより好きかな...マスタングさんは、ノーコメントで。

久々の文章が、とってもセンチメンタル。
本編枠の、最終回後(?)
微妙に、皆のティエリアを思う空気と、本人の温度差が...
そして、何気に、ホラーみたいなタイトル(苦笑)

 


 

――これで、未来は人類に委ねられた。
 僕はヴェーダの一部となり、君たちを見守ることにしよう。
 来たるべき対話の時まで。さようなら、みんな...――

この身は光の粒子となり、君たちとは違う次元に溶け込んで消えてしまっても。


『何を、見ているんだい?』
『...別に...』

紫の癖のない髪を揺らして、素気ない一言と共に彼は奥へと引っ込んだ。
入れ替わりに表側に取り残されたもう一人の彼が眉を潜めたその先には、先程まで片割れが見ていたのであろう光景がノイズ混じりに映る。

『未練、だね...』

そんなつぶやきが、何もない虚ろな中で木霊し、霧散していった。

 


 貴方は、帰って来なかった

主を失った鉄の塊は、以前にも増して冷たく大きく、少女の前に立ちはだかる。
よく、機体を損傷させる人だった。
いつも、一途でまじめで、一見そっけなくともどこか優しい。
共に過ごした時間は短くとも、自分はきっとあの人を忘れない。

「大丈夫ですぅ。すぐに、元通りになりますからね...」

涙を拭って、変わり果てた残骸を、最早搭乗者のいなくなった機体を、震える手つきで整備し始めた。


オレンジ色の球体が廊下を無造作にとび跳ね、転がり、当所もなく彷徨う。
後を追う人物がようやく両手に標的を捉えたその時、視界の端に映ったのは、そんな妹ともいうべき存在の姿。
自分にも覚えがあった。
数年前のまだほんの少女だった頃、幼い自分を優しく包んでくれた大きな手のひらを持つ男。
胸に芽生えたばかりの仄かな、恋とも呼べぬ感情は、呆気なく行き場を失った。
幾夜を独り涙に濡れて過ごしたか。
今、あの子はあの頃の自分と同じなのだ。

「...どこへ、行ってしまったの。あなたは...」

健気にも気丈に振舞おうとする少女の姿に自身を重ね、彼女にそんな思いをさせている還り来ぬ人に、そっと問いかける。

 

頬を熱いものが伝う。
こんな感触とは無縁になった筈の自分。まだ、残っているのか。
こんなにも、自分は「人」だったのだろうか。
搭乗者の帰ってこない機体を、それでも健気に修理してくれる彼女が愛おしい。
明るく無邪気な笑顔にどれほど救われてきたか。
強くて、優しくて、温かだった少女――もう、自分よりずっと大人へと成長を遂げてしまった彼女にも、今は感謝の気持ちしかない。
決して自分が持ち得なかった「少女らしさ」を持つ彼女たち。

...ごめん...そして、さようなら...

謝罪の言葉も、別れの言葉も、もう伝える事が出来ない。

 

 叶った筈の願いは、何故こんなにも切ない

来る日も来る日も続く、果てしのない旅路。
幾つの懺悔を繰り返し、幾夜の悪夢を乗り越えたら、自分は見つけられるのだろうか。
その答えを。
ふと、隣を見ると、同じように旅装束に身を包んだ彼女が切なげに微笑んでいた。
そうだ。進まなければならないのだ。立ち止まる事は許されない。
犯した罪の償いにこの命を差し出せと言われたなら、喜んで差し出しただろう。
だが、現実はもっと辛く重い罰を自分達に科した。
生きなければならない。この罪を背負ったまま。
立ち止りかけた足が、再び力を取り戻し、彼は唇を強く引き結んで再び前を見据えた。

 

「結局、俺たちは勝利したのか? それとも...」
「まだだ。まだ、終わっちゃいないんだ。これからなんだ」
「だよな...」

男ふたり、苦い言葉を飲み込む。
決して噛みくだせない思い。
後味の悪いだけの終焉だった。
失ったものは計り知れなく、得たものなど何もない。
それでもここに残った者たちは、戦い続ける道を選んだのだ。
たとえ世界中から疎まれようと、いつの日かその役目を全うして、その存在が必要とされなくなるまで。

「あいつさ、あんたの兄さんのこと、結構、敬愛してたぜ」
「...そうか、じゃあ今頃は、よくやったって褒めてもらってるかな」

あいつが誰を指しているのか、誰もその名を口にしない。
多くの犠牲を築き上げても、それを止める事も後戻りする事も出来ないのを知っている。

「わしらには、墓標なんぞ無い。その存在を否定されたまま、消えていくだけだ」
「例え、どんな成果を上げても、私たちの功績にはならないのね」
「それが、ソレスタル・ビーイングだろう」

運よく夫婦そろって此度は生き残った。
だが次はわからない。
二人は、どちらからともなく視線を相手に向け合い、力なく微笑む。

 

みんな...
誰かが立ち上がらなければならないのならと、誰かが始めなければならないのならと、志を同じく集った者達。
いろいろな事があったけど、僕は、君たちに出会えた事を誇りに思う。
どうか、生きて欲しい。
疎まれても、蔑まれても、君達の功労は、僕が知っている。
どうか...。

 

 ねえ、...何所にいるの...? 

伸ばしかけた腕が空を掴み、目指したはずの物体は逃げていく。

「もう、止めたんだろう?」
「そうね...お酒は、やめたわ。どんなに辛くても、諦めずに逃げずに、頑張ってる人達に申し訳ないもの」

空のままのグラスを取り上げ、床に落とす。
砕け散る破片が、苦い過去の出来事と共に洗い流されていく。
意志の強い瞳の色が、その中に注がれる筈だった液体の色と重なって、弾けた。

「刹那は、大丈夫?」
「大丈夫だ」

無口な彼は、一言だけ答えると、その場を後にした。
その後ろ姿を眼で追いながら、かの女性はため息を一つ吐く。
彼は何も言わなかった。
だが、彼女は全て分かっていたのだろう。


ああ、刹那...君だけが知っている。今の僕。
人類の、決して明るくはない未来。
君にだけは、語って聞かせた。
わかっていて欲しい。忘れないでいて欲しい。
その時が来るまで。


赤い瞳が、冴え冴えと空を見据える。
咎めるでもなく、憐れむでもなく、真実だけを求める。

「どこに、いる?
 お前は、今も俺たちを、見ているのか?」

 


そうだよ。
ここだよ。
ここにいるよ...

『...僕は、ここにいる。君たちを見ている、ずっと』

僕は、彼らのように、人と自分を分け隔てたまま、見下ろす立場に甘んじてはいられなかった。

『それが、君を苦しめる結果となっても?』

そうだね。リボンズ。
だが、後悔はない。
ティエリア・アーデは、人として生き、人として死んだ。
ここにいるのは、唯のデータの塊。
それでも、僕は。

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   あかり
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非公開
職業:
   猫好き
趣味:
   読書、ものを作ること
自己紹介:
ガンダムOOのパロディ小説がメイン。
基本はロックオン×ティエリア、甘くはないです。
更新はマイペース。気長にのんびり、大きなお心でお付き合い頂けると嬉しいです。
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