ガンダムOOの二次創作(小説)サイトです。基本はロクティエ。迷い込まれた方は速やかに、回れ右!をお願いします。
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突然思いついて書いていたら、すっかり真夜中に。
早く寝なくては、明日は出かけるのに!!
今回は、教育実習生リヒティ視点です。
早く寝なくては、明日は出かけるのに!!
今回は、教育実習生リヒティ視点です。
ポスン、と軽い音を立ててナイロン製のボストンバックを地面に置くと、大きく伸びを一つした。
改めて目の前に立ち塞がる大きな門をマジマジと眺める。古めかしい…もとい由緒正しそうな建物が、そこに言いようのない威圧感を持ってして鎮座している。
「ソレスタル学園、か…」
思わず、本当に無意識に呟きが漏れた。
周囲の人影は疎らで、登校中の生徒たちは数少ない。どうやら早く着きすぎたらしい。
今日から始まる期間限定の新生活に、期待と興奮で気が急いてしまったようだ。
通り過ぎる生徒達が遠巻きに、異質な見慣れぬ人物に時折視線を向けてくる。が、すぐに興味をなくしたかのように再び前を向いて歩き始める。
ちょっと活気が足りないか? 若者諸君!
ま、ここは名門私立だ。通ってくるのも良家の子女なんだろう。
あ、俺の名前は、リヒテンダール・ツエーリ。
今日から約二週間、この学校で教育実習を体験する。リヒティで構わない。
先日電話口で応対してくれた人物は、確かこのくらいの時間に校門前にいる、とか言ってたはずなのにな。
改めて、目の前の光景を眺めた。
ごくありふれた普通の学校の普通の朝、校門前だ。
今朝ここに来るまでの街中では、ちょっと不思議な光景を見た気もするが、それは記憶の片隅に追いやっておくとして。
さあ、頑張るぞ!
荷物を持ち上げ、心の中でガッツポーズ。気合いを入れる。
その時だった。
ふいに背後からトントンと肩を叩かれたのは。
振り返るとそこには、見るからに人の良さそうな温厚な笑みを浮かべた一人の男が、眼鏡の奥の細い目を更に細めながら、ニコニコ顔で立っていた。
悪い人ではなさそうだ。ただ、うさん臭さは拭えないのだが。
何しろ彼は、長い髪を高い位置で結び(いわゆるポニーテールというやつだ)、丈の短い上着のスーツを着込んだ上から白衣のようなものを羽織っていたのだから。
微かに油絵の具の臭いがした。
「実習生のツエーリくんかな?」
「あ、はい」
「これから、登校してくる生徒を迎えるんだけど、一緒にどう?」
「は…あ…」
彼はビリー・カタギリと名乗った。風紀担当の美術教師らしい。
今日は月曜で、彼ともう一人が正門に立ち、登校してくる生徒たちを迎えるのだそうだ。
「ま、生徒たちの身嗜みをチェックするのが仕事だけどね。風紀検査のようなものだよ」
あとは、遅刻者の取締りとかね...、そう言う彼の背中にもう一人男がいることに気付く。
「彼も本日の当番だよ…グラハム・エーカー国語教師」
説明され促されたその先には、明るい金色の巻き毛の男性。
上品なスーツをお洒落に着こなし、スマートに佇むその姿は女生徒に受けそうな甘いマスクの二枚目だ。目付きだけは異様に鋭いが。
「あの、宜しくお願いします」
遠慮がちに頭を下げる俺に、彼の整った顔が僅かに緩む。
その表情の魅力的なこと!
いやいや、そんな事はどうでもいい。
俺は女子高生ではない。
「自己紹介は後だ。そろそろ来るぞ」
彼はすぐに元の表情に戻り、口元を引き締める。
見た目は甘いが声と言葉は随分と素っ気なく、正直肩透かしをくらった俺は、下げかけた頭を途中で止めてしまったくらいだ。
隣りで苦笑するカタギリ先生が、詳しい事はこれが終わってからね、とフォローした。
そうしている間に二枚目教師は、ある一点を見つめて意味ありげな台詞を吐く。
「来たか…」
一体何が起こるのだろうと身構えた俺の横を何かが掠め、のどかな空気を一瞬切り裂き通り過ぎて行った。
それは正にあっと言う間の出来事で。
何が起こったのか、理解出来ないほどに。
数秒後、我に返った時には、その正体は遥か前方を光のような速さで駆け抜けていた。
それを追いかける金髪教師の叫び声もすでに遠い。
「刹那。何度言ったら分かるんだ。校門前ではスピード落とせ!」
周囲は至って一般的な朝の登校風景なのに、そこだけ明らかに別世界のように浮いていた。
目を凝らすと、ゆっくりと減速してゆく巨大な鉄の塊が見える。
あれは…何だ?
疑問を口にする間もなく、ただ呆然と立ち尽くす俺に向かって、察したかのようなカタギリ先生の声。
「ああ、ガンダムだよ」
ガンダム…?
何だ、それは!
「モビルスーツだよ。この町の交通手段の一つ」
交通手段だあ? あんな物騒なもんに乗って生徒たちが登校してくるのか?
二の句がつげない俺に更に追い討ちがかけられる。
「これから、もっと来るよ。構えておいてね」
どうなってんだ、この学校は!?
そういえば町中でも似たようなあの、人型をした巨大な鉄の塊を見た気がする。
これがここでの日常、当り前なのか?
早くも挫折しそうになりガックリとうなだれた俺には、続く更なる衝撃は最早想像出来ない。
そう。
普通に歩いて登校してくる生徒の群れの遥か後方、凄まじいスピードで突っ込んで来る数機の影に気付くはずもなかった。
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基本はロックオン×ティエリア、甘くはないです。
更新はマイペース。気長にのんびり、大きなお心でお付き合い頂けると嬉しいです。
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