ガンダムOOの二次創作(小説)サイトです。基本はロクティエ。迷い込まれた方は速やかに、回れ右!をお願いします。
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ようやく髪を切りに行けました。
今日からお盆休みです。明日から、親戚宅に出かけます。
...部屋は片付かない...誰か、足の踏み場を作って!(←自分でやれ)
その前に、出来たところまでアップ。
猫話16話、ロックオンどん底...がんばれ...
悔恨と猫
あの二人だ。
まさか、同じマンションだったなんて…
判明した衝撃の事実に、ティエリアは金縛りにあったかのようにその場に立ち尽くした。
近付いてくる足音と気配。
咄嗟に物陰に身を隠してやりすごせば、男たちは上の階へと消えて行った。
少なくとも居住しているのは、三階以上という事になる。
どちらかがこのマンションに住んでいるのだろうか。それとも二人ともか。
部屋に入ってもなかなか動こうとしない腕の中から、痺れを切らした猫が飛び下りた。
「ごめん…お腹空いたか?」
ニャア、と猫が鳴いた。
見れば、首輪の辺りをむずがるように足で掻いている。
仰向けで手足をバタつかせるのを押さえ込み、首輪を外した。起き上がりブルブルと首を振る。
ティエリアは首輪など外した事はなかった。向こうでは外しているのか…
首輪を見て、手紙の事を思い出す。
昨日は花火大会の話題だった。
【お帰りなさい。
これを書いているのは、夕方です。
これから花火大会に行きます。
働きものの君に、御土産を買って来るから、
バイト頑張れ!!】
見ず知らずの自分に、何時も親しみを込めた好意的な文章。
動物が好きなくらいだから、素で人にも親切なのかもしれない。
こちらが言わない事は知りたがらない。さり気なく温かい言葉をくれる。
どんな人なのだろう。
会ってみたいとか、思うのはルール違反になるだろうか。
── 私にもまだ味方がいる?
── 一人ではない?
割れるような頭の痛みに目を覚ました。
陽はすっかり高い。
身を起こしてみれば、自分の物ではないベッド。上半身は何も着ていない。下は下着だけ。
過去の経験から、酔いの冷めぬまま寝てしまったのだと、鈍い感覚が告げる。
壁際に凭れかかる姿勢で、アレルヤが寝ていた。
ここは彼の部屋だ。
ゆっくりと、記憶という名の映像が巻き戻され、再生される。
花火を観ていた。
甘い雰囲気を漂わせながら、仲良く自分たちの世界に浸るカップルだらけの真ん中で、不毛にも男二人は酒量を競っていた。
珍しく酔っていた。
妙に饒舌だった気もする。
後半の記憶はストンと抜け落ち、砂嵐に包まれた。
アレルヤはまだ夢路の最中らしい。
状況から察するに、泥酔し我を忘れた自分を運んでくれたのも、着衣を脱がせベッドに寝かせたのも彼だろう。
毎度面倒をかけてばかりだ。
絨毯の上に綺麗に畳んで重ねられた衣類に手を伸ばす。
ジーンズを広げ、不自然なポケットの膨らみに気付いた。正体は花柄の紙袋。
そうだ。夕べ…猫の飼い主に土産を買ったのだった。
次第に覚醒してくる頭で、ロックオンは玄関のドアが音を立てているのを知り、そっとチェーンを外した。
猫だった。
花火は楽しかったかと問う内容に、飲み過ぎた、と自ら突っ込む。
未だ見ぬ君、このまま会わない。それが暗黙のルール。
単なるゲーム。
せめて、我が儘を言わせて欲しい。聞いて欲しい。
誰にも言えない胸の内を。
君にだけ。
これは罰か。
散々遊び惚け、真面目な人付き合いをして来なかった自分への。
知らないのだ。
どうすれば、苦しい胸のうちを伝えられるのか。
真剣に口説かなくとも、女は寄って来た。
来る者は拒まず去る者は追わず。執着するなどみっともない。
本気になったら負けだ。
誰か教えて欲しい。
どうやったら、あの子が振り向いてくれるのか。
ロックオンは初めて、人生の敗北感を味わった。
あの二人だ。
まさか、同じマンションだったなんて…
判明した衝撃の事実に、ティエリアは金縛りにあったかのようにその場に立ち尽くした。
近付いてくる足音と気配。
咄嗟に物陰に身を隠してやりすごせば、男たちは上の階へと消えて行った。
少なくとも居住しているのは、三階以上という事になる。
どちらかがこのマンションに住んでいるのだろうか。それとも二人ともか。
部屋に入ってもなかなか動こうとしない腕の中から、痺れを切らした猫が飛び下りた。
「ごめん…お腹空いたか?」
ニャア、と猫が鳴いた。
見れば、首輪の辺りをむずがるように足で掻いている。
仰向けで手足をバタつかせるのを押さえ込み、首輪を外した。起き上がりブルブルと首を振る。
ティエリアは首輪など外した事はなかった。向こうでは外しているのか…
首輪を見て、手紙の事を思い出す。
昨日は花火大会の話題だった。
【お帰りなさい。
これを書いているのは、夕方です。
これから花火大会に行きます。
働きものの君に、御土産を買って来るから、
バイト頑張れ!!】
見ず知らずの自分に、何時も親しみを込めた好意的な文章。
動物が好きなくらいだから、素で人にも親切なのかもしれない。
こちらが言わない事は知りたがらない。さり気なく温かい言葉をくれる。
どんな人なのだろう。
会ってみたいとか、思うのはルール違反になるだろうか。
── 私にもまだ味方がいる?
── 一人ではない?
割れるような頭の痛みに目を覚ました。
陽はすっかり高い。
身を起こしてみれば、自分の物ではないベッド。上半身は何も着ていない。下は下着だけ。
過去の経験から、酔いの冷めぬまま寝てしまったのだと、鈍い感覚が告げる。
壁際に凭れかかる姿勢で、アレルヤが寝ていた。
ここは彼の部屋だ。
ゆっくりと、記憶という名の映像が巻き戻され、再生される。
花火を観ていた。
甘い雰囲気を漂わせながら、仲良く自分たちの世界に浸るカップルだらけの真ん中で、不毛にも男二人は酒量を競っていた。
珍しく酔っていた。
妙に饒舌だった気もする。
後半の記憶はストンと抜け落ち、砂嵐に包まれた。
アレルヤはまだ夢路の最中らしい。
状況から察するに、泥酔し我を忘れた自分を運んでくれたのも、着衣を脱がせベッドに寝かせたのも彼だろう。
毎度面倒をかけてばかりだ。
絨毯の上に綺麗に畳んで重ねられた衣類に手を伸ばす。
ジーンズを広げ、不自然なポケットの膨らみに気付いた。正体は花柄の紙袋。
そうだ。夕べ…猫の飼い主に土産を買ったのだった。
次第に覚醒してくる頭で、ロックオンは玄関のドアが音を立てているのを知り、そっとチェーンを外した。
猫だった。
花火は楽しかったかと問う内容に、飲み過ぎた、と自ら突っ込む。
未だ見ぬ君、このまま会わない。それが暗黙のルール。
単なるゲーム。
せめて、我が儘を言わせて欲しい。聞いて欲しい。
誰にも言えない胸の内を。
君にだけ。
これは罰か。
散々遊び惚け、真面目な人付き合いをして来なかった自分への。
知らないのだ。
どうすれば、苦しい胸のうちを伝えられるのか。
真剣に口説かなくとも、女は寄って来た。
来る者は拒まず去る者は追わず。執着するなどみっともない。
本気になったら負けだ。
誰か教えて欲しい。
どうやったら、あの子が振り向いてくれるのか。
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HN:
あかり
性別:
非公開
職業:
猫好き
趣味:
読書、ものを作ること
自己紹介:
ガンダムOOのパロディ小説がメイン。
基本はロックオン×ティエリア、甘くはないです。
更新はマイペース。気長にのんびり、大きなお心でお付き合い頂けると嬉しいです。
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