ガンダムOOの二次創作(小説)サイトです。基本はロクティエ。迷い込まれた方は速やかに、回れ右!をお願いします。
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こっちの方が書くの楽だから、サクサク進みます。
猫話、第4話。
文章が淡々としてますが、一応少女マンガ路線です。
最後が「絶対ハッピーエンド!」、って分かってるから、書くほうもすごく気が楽です。
彼と猫
「あ…」
補充用の商品を入れた籠の中から、数種類の袋を取り出していた手が止まる。
ペット商品の棚の前で屈んだまま、ティエリアは開いたドアの方向を見た。
ここ最近、頻繁に現れるようになった人物が、そこにいる。柔らかそうな茶色の巻き毛に澄んだ碧い瞳。
自然に零れる笑みはすっかりお馴染みになってしまった。
彼は真っ直ぐにティエリアのいる場所まで歩いて来ると、黙って横に並ぶ。
黙々と作業を続けるティエリアは、キャットフードを手に取りながらチラチラとこちらを伺う視線を感じていた。
「コレ、有難うな…猫、喜んで喰ってるよ」
「そうですか」
話かけられれば抑揚のない声で短く返すだけだが、彼は気を良くして饒舌になる。
「猫、帰ってきた?」
「…まだです」
「あのさあ、良ければ探すの手伝おうか? 犬や猫とか詳しくて、そういう知り合いいっぱい持ってる友達がいるんだけど…」
慣れた手付きで素早く商品の位置を入れ替え、足していく。
彼の言葉はちゃんと耳に入っていた。
だが、返事はしない。
溜め息をつく微かな声が耳元で聞こえた。陽気な男の笑顔が曇っていくのが容易に想像できる。
暫く考えて、口を開いた。
「有難うございます。でも、私も捨て猫を拾っただけなので…」
「俺も偶然拾ったんだよな。もしかしたら、本当の飼い主が君みたいに心配してるかもしれないって、そう思ったら…」
彼が言い淀む。恐らく自分を見ていて、顔も知らぬ本来の所有者に同情でもしたのだろう。
「あなたが…大事にしてあげればいいと、思います。飼い主さんだって、きっと猫が元気にしていれば、それで…」
「そう、かな?」
「そうです。少なくとも私は...」
まだ納得いかない様子の男を残し、ティエリアは立ち上がった。
次の仕事があるからだ。
彼はあれから、毎日のようにやって来ては他愛もない事を話しかけてくる。ティエリアが返事をしようがしなかろうが、お構いなくだ。
懲りない男なのか、よほど女慣れしているのか。
さすがに仮にも客に対して素っ気無さ過ぎたかと反省し、去り際に一言付け足した。
「うちの子も、貴方のような人に拾われて大事にされていたら、安心です」
さっさと背を向け去って行く後ろ姿に、男は声をかけようとして、ためらった。彼女は気付かない。
猫は依然、行方が分からないままだ。
成り行きとはいえ、僅かな時間でも共有した。自分の不注意で逃がしてしまったが。
いなければいないでそれが当り前なのだが、一度あの存在を知ってしまえば、居なくなった時に言い様のない喪失感を感じた。
あの男の笑顔も、今では心のどこかで楽しみにしている事実をティエリアは素直に認めたくはなかった。
そのうち、飽きるだろうと。
「あ…」
補充用の商品を入れた籠の中から、数種類の袋を取り出していた手が止まる。
ペット商品の棚の前で屈んだまま、ティエリアは開いたドアの方向を見た。
ここ最近、頻繁に現れるようになった人物が、そこにいる。柔らかそうな茶色の巻き毛に澄んだ碧い瞳。
自然に零れる笑みはすっかりお馴染みになってしまった。
彼は真っ直ぐにティエリアのいる場所まで歩いて来ると、黙って横に並ぶ。
黙々と作業を続けるティエリアは、キャットフードを手に取りながらチラチラとこちらを伺う視線を感じていた。
「コレ、有難うな…猫、喜んで喰ってるよ」
「そうですか」
話かけられれば抑揚のない声で短く返すだけだが、彼は気を良くして饒舌になる。
「猫、帰ってきた?」
「…まだです」
「あのさあ、良ければ探すの手伝おうか? 犬や猫とか詳しくて、そういう知り合いいっぱい持ってる友達がいるんだけど…」
慣れた手付きで素早く商品の位置を入れ替え、足していく。
彼の言葉はちゃんと耳に入っていた。
だが、返事はしない。
溜め息をつく微かな声が耳元で聞こえた。陽気な男の笑顔が曇っていくのが容易に想像できる。
暫く考えて、口を開いた。
「有難うございます。でも、私も捨て猫を拾っただけなので…」
「俺も偶然拾ったんだよな。もしかしたら、本当の飼い主が君みたいに心配してるかもしれないって、そう思ったら…」
彼が言い淀む。恐らく自分を見ていて、顔も知らぬ本来の所有者に同情でもしたのだろう。
「あなたが…大事にしてあげればいいと、思います。飼い主さんだって、きっと猫が元気にしていれば、それで…」
「そう、かな?」
「そうです。少なくとも私は...」
まだ納得いかない様子の男を残し、ティエリアは立ち上がった。
次の仕事があるからだ。
彼はあれから、毎日のようにやって来ては他愛もない事を話しかけてくる。ティエリアが返事をしようがしなかろうが、お構いなくだ。
懲りない男なのか、よほど女慣れしているのか。
さすがに仮にも客に対して素っ気無さ過ぎたかと反省し、去り際に一言付け足した。
「うちの子も、貴方のような人に拾われて大事にされていたら、安心です」
さっさと背を向け去って行く後ろ姿に、男は声をかけようとして、ためらった。彼女は気付かない。
猫は依然、行方が分からないままだ。
成り行きとはいえ、僅かな時間でも共有した。自分の不注意で逃がしてしまったが。
いなければいないでそれが当り前なのだが、一度あの存在を知ってしまえば、居なくなった時に言い様のない喪失感を感じた。
あの男の笑顔も、今では心のどこかで楽しみにしている事実をティエリアは素直に認めたくはなかった。
そのうち、飽きるだろうと。
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猫好き
趣味:
読書、ものを作ること
自己紹介:
ガンダムOOのパロディ小説がメイン。
基本はロックオン×ティエリア、甘くはないです。
更新はマイペース。気長にのんびり、大きなお心でお付き合い頂けると嬉しいです。
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