ガンダムOOの二次創作(小説)サイトです。基本はロクティエ。迷い込まれた方は速やかに、回れ右!をお願いします。
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部屋の中を飛び回る虫相手に、楽しく元気に追いかけっこをしております。
夏バテという言葉も、散らかした後の片付けという言葉も、彼女は知りません(笑)
書ける時に書いておきます...な、猫話。
ねえ、これ何話まで続くの?
亀並の話の進み方と、どこまでもすれ違うふたり...。
今後も、まだまだすれ違います。
猫話第8話。
猫と手紙
翌日、また猫は帰って来た。
悪びれる様子もなく、ごく自然な態度で自分の家として振る舞う。
置きっ放しになっていたお皿の所へ行くと、中身が空なのを確かめてから、物言いたげにティエリアに向かって、ニャアと一つ鳴いた。
仕方なく立上がり、ストックしておいたフードの棚へ向かう。ノロノロと準備する間も、猫は引っ切り無しに足元にまとわりついてきた。
急かされてご飯と水を用意し、嬉しそうに食べ始めたその姿に溜め息が漏れる。
戻って来てくれたのは素直に喜びたい。だが。
「何処で、何してるんだ、お前は?」
口をついて出たのは、思いがけない非難めいた言葉だった。
意味が分かったのか分からないのか、目が合うとキョトンとした顔で見返して来る。
ふと、その首に飾りのないナイロンのリボンが結んであるのに気付いた。
猫を驚かさないようにゆっくりと腕を回す。結び目の間に器用に細かく折り畳んだ紙が挟み込まれている。
シンプルなメモ用紙に記された数行の文字。手紙だ。
【初めまして、子猫ちゃんの飼い主さま。
時々部屋を訪れる可愛い訪問者に、心を癒されております。
貴方はこのマンションにお住まいの方だと思いますが、私は...】
全て読み終え、考えた末に、長い時間をかけて返事を書いた。
同じバイト仲間の明るい声が店内に響く。
入って来たのは、数日ぶりに見た柔らかな巻き毛の人物。
ティエリアを見つけると、片手を上げ気安く挨拶をしてくる。ティエリアは形だけ頭を下げ、すぐに仕事を再開した。
男が近付いて来るのがわかる。
予想通り、自分の背後で足音が途切れた。
「やっと会えた。何時もこの時間なのか? 学生だろ、君」
なかなか答えようとしないティエリアにめげる事なく、彼は続ける。
「猫、帰って来たか?」
色は白いが、ほどよい肉づきのひき締まった腕が、肩越しに商品を掴んだ。
男が手にしたのは、赤い小さな猫用の首輪。
「やっぱさあ、猫でも外に出すなら、コレ付けた方がいいのかな?」
「…野良猫と間違えられない用心なら、必要かもしれません」
「だよな!」
ようやく反応を示したティエリアに、男は嬉しそうに満面の笑みを浮かべる。
手の中の赤い首輪を無造作に籠に突っ込んだ。
他に入っているのは、お弁当やおにぎり、ミネラルウォーター、つまみ系のお惣菜。最後に酎ハイの缶を二つ、ためらう事なく入れた。
若い男性とはいえ、一人で食べるには少々量が多い気がする。
一緒に食事をする相手がいるのか、とその場に立ち尽くしたまま漠然と思った。
目の前に視線を戻せば、猫用の首輪やリードがある。
彼が買って行ったのと同じ物を手に取り、眺める。
部屋で待つ子猫の存在を思い出した。毛色からすればきっとこの赤が似合うだろう。
暫く逡巡した後、横にあった緑色の首輪に手を伸ばした。
男の瞳によく似た碧だった。
仕事中にアレルヤにメールで呼び出されたロックオンは、習慣になった帰宅途中の寄り道をする。
出迎えたのは、友人と子猫。
首には昨日はなかった緑色の首輪。
アレルヤから手渡されたのは、一枚の便箋にびっしりと書かれた手紙だった。
翌日、また猫は帰って来た。
悪びれる様子もなく、ごく自然な態度で自分の家として振る舞う。
置きっ放しになっていたお皿の所へ行くと、中身が空なのを確かめてから、物言いたげにティエリアに向かって、ニャアと一つ鳴いた。
仕方なく立上がり、ストックしておいたフードの棚へ向かう。ノロノロと準備する間も、猫は引っ切り無しに足元にまとわりついてきた。
急かされてご飯と水を用意し、嬉しそうに食べ始めたその姿に溜め息が漏れる。
戻って来てくれたのは素直に喜びたい。だが。
「何処で、何してるんだ、お前は?」
口をついて出たのは、思いがけない非難めいた言葉だった。
意味が分かったのか分からないのか、目が合うとキョトンとした顔で見返して来る。
ふと、その首に飾りのないナイロンのリボンが結んであるのに気付いた。
猫を驚かさないようにゆっくりと腕を回す。結び目の間に器用に細かく折り畳んだ紙が挟み込まれている。
シンプルなメモ用紙に記された数行の文字。手紙だ。
【初めまして、子猫ちゃんの飼い主さま。
時々部屋を訪れる可愛い訪問者に、心を癒されております。
貴方はこのマンションにお住まいの方だと思いますが、私は...】
全て読み終え、考えた末に、長い時間をかけて返事を書いた。
同じバイト仲間の明るい声が店内に響く。
入って来たのは、数日ぶりに見た柔らかな巻き毛の人物。
ティエリアを見つけると、片手を上げ気安く挨拶をしてくる。ティエリアは形だけ頭を下げ、すぐに仕事を再開した。
男が近付いて来るのがわかる。
予想通り、自分の背後で足音が途切れた。
「やっと会えた。何時もこの時間なのか? 学生だろ、君」
なかなか答えようとしないティエリアにめげる事なく、彼は続ける。
「猫、帰って来たか?」
色は白いが、ほどよい肉づきのひき締まった腕が、肩越しに商品を掴んだ。
男が手にしたのは、赤い小さな猫用の首輪。
「やっぱさあ、猫でも外に出すなら、コレ付けた方がいいのかな?」
「…野良猫と間違えられない用心なら、必要かもしれません」
「だよな!」
ようやく反応を示したティエリアに、男は嬉しそうに満面の笑みを浮かべる。
手の中の赤い首輪を無造作に籠に突っ込んだ。
他に入っているのは、お弁当やおにぎり、ミネラルウォーター、つまみ系のお惣菜。最後に酎ハイの缶を二つ、ためらう事なく入れた。
若い男性とはいえ、一人で食べるには少々量が多い気がする。
一緒に食事をする相手がいるのか、とその場に立ち尽くしたまま漠然と思った。
目の前に視線を戻せば、猫用の首輪やリードがある。
彼が買って行ったのと同じ物を手に取り、眺める。
部屋で待つ子猫の存在を思い出した。毛色からすればきっとこの赤が似合うだろう。
暫く逡巡した後、横にあった緑色の首輪に手を伸ばした。
男の瞳によく似た碧だった。
仕事中にアレルヤにメールで呼び出されたロックオンは、習慣になった帰宅途中の寄り道をする。
出迎えたのは、友人と子猫。
首には昨日はなかった緑色の首輪。
アレルヤから手渡されたのは、一枚の便箋にびっしりと書かれた手紙だった。
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あかり
性別:
非公開
職業:
猫好き
趣味:
読書、ものを作ること
自己紹介:
ガンダムOOのパロディ小説がメイン。
基本はロックオン×ティエリア、甘くはないです。
更新はマイペース。気長にのんびり、大きなお心でお付き合い頂けると嬉しいです。
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