ガンダムOOの二次創作(小説)サイトです。基本はロクティエ。迷い込まれた方は速やかに、回れ右!をお願いします。
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書きたかったエピソードまでこぎつけました。
猫話、第7話。
今回はちょっと場面があちこち移り変わるので、頭の中で紙芝居風にご想像ください。(←どんなん)
猫話、第7話。
今回はちょっと場面があちこち移り変わるので、頭の中で紙芝居風にご想像ください。(←どんなん)
猫と飼い主
翌日は暑さが一段と厳しく感じる真夏日。
ティエリアは身支度を整え、少し早めに家を出ようとしていた。
結局、猫は帰って来なかった。
子猫とはいえ、ちゃんと歩けるし食べる事も出来る。誰か人に発見されていたら大丈夫だろう。
気分を切替え、ドアノブに手をかけた。
ピチャピチャと音を立て、口の回りを真っ白にして、小さなお客さんはミルクを飲んでいる。
大人の猫は本来牛乳は苦手だが、このくらいの子猫ならまだ水よりこちらだろうと、説明するアレルヤを感心しながら頷いていた友人は、夕べ一人寂しく帰って行った。
彼なりに、一度関わった生物に情もあるだろう。
この子の飼い主が見つからないか、もしくは手放してくれたら、彼は自分で面倒みるだろうか。
何時の間にか音は消え、すっかり満足した猫が顔を上げてアレルヤを見ていた。
「もう、お腹いっぱいかい?」
穏やかな笑みと声に、ニャッと短い返事が返ってくる。
「僕はそろそろ出掛けるけど、留守番できるね?良い子にしてたら、御土産買って来るよ」
骨ばった手で頭を撫でてやると、目を閉じて何度も掌に擦り付ける。
流石に袖口にまでマーキングが始まると、アレルヤはやんわりとした手つきで延々続くかと思われた行為を遮った。
じゃあ、と玄関に急ぐアレルヤを追い越し、軽い足取りで先回りした猫は、前足でドアを叩く。
叩いてはアレルヤを見上げ、また叩く。
まるで開けろ、と言っているかのようだ。
外に出たいのか?
疑問に思いつつもドアを開ける。
途端、足元をすり抜けた猫は一目散に廊下を走り抜け、階段を目指した。
ああそうか。きっと、ご主人の元へ帰ったのだ。
ロックオンの残念がる姿も浮かんだが、その可愛いらしい行動が笑を誘う。
後をつければ、何処の部屋へ向かったか分かるとか、そういう思考には一切至らなかった。
鍵をかけようとしていたティエリアの足元に、何かが突進して来る。文字通り体当たりだ。
何事かと視線を落とせば、視界の隅で白と黒の毛玉が蠢く。
昨日ベランダから出て行った筈の猫が、そこにいた。
「帰って来たのか!」
ドアを開けてやると、当然のような足取りで奥へと向かう。絨毯の真ん中に座り込み、平然と毛繕いを始めた。
そのふてぶてしさに、思わず笑いが漏れた。
「じゃあ出掛けて来るから、留守番してて」
喉を一撫でし、部屋を後にする。
エントランスで、ちょうど同じように出掛けようとしていた男性と出くわし、どちらからともなく会釈を交わした。
「いない、か…」
コンビニの中を一巡りし、目当ての人物の不在を確かめると、ロックオンは明らかに期待外れだと目を伏せる。
夕べもいなかった。
バイトだから、シフトの関係で擦れ違っているのだろう。この時間なら学校とかかもしれない。
諦めて適当な商品を持ち、レジへと向かった。
夜になったら、またあの動物好きな友人と愛らしい生物にでも会いに行くか、と呟きながら。
ティエリアは授業を終えると、一度マンションへと戻る。
バイトの前に猫にご飯を食べさせる為だ。
入口で靴を脱ぎ、スリッパに履き替えていると、物音に気付いたのか中から出て来た影が、擦れ違うように脇を過ぎった。
止めるまもなく唖然と立ち尽くすティエリアには目もくれず、猫はまたしても何処かへ消えた。
「遅い!」
罵声と共に出迎えられたアレルヤは、玄関前に仁王立ちする男に苦笑した。
今朝出て行った筈の猫を腕に抱え、痺れを切らして待ち構えていたのだ。
猫はお腹が膨れ、一通り毛繕いを終えると、丸まって眠り始める。
「何なんだろうな、コイツ」
ロックオンはテーブルの上にだらしなく肩肘をつき、空いた方の手でフォークを振り回す。
本日の夕食はパスタ。
やはり、例のコンビニの袋だと横目で確認出来る。
彼は汚れた口元を丁寧に拭い、猫の方に向き直った。
「なあ、なんでコイツ外にいたんだ?」
「今朝出掛けに、出て行ったんだよ。てっきり、飼い主の元に帰ったと思ったんだけど」
「ふうん…」
食べ終わった容器を片付けながら、彼は眠る猫をもう一度見た。
「また、戻るかもしれないね。何なら手紙でも書いて、持たせてみる?飼い主が分かるかもしれないよ」
「俺が書くのか?」
「最初に猫を見つけたのは、君でしょ」
「今面倒見てるのは、お前だけどな」
それもそうだ、と大声で笑うアレルヤは楽しんでいる。
ロックオンも、面白いかもしれない、と思った。
この猫が帰る場所で待っている相手というのにも、ちょっと興味があった。
翌日は暑さが一段と厳しく感じる真夏日。
ティエリアは身支度を整え、少し早めに家を出ようとしていた。
結局、猫は帰って来なかった。
子猫とはいえ、ちゃんと歩けるし食べる事も出来る。誰か人に発見されていたら大丈夫だろう。
気分を切替え、ドアノブに手をかけた。
ピチャピチャと音を立て、口の回りを真っ白にして、小さなお客さんはミルクを飲んでいる。
大人の猫は本来牛乳は苦手だが、このくらいの子猫ならまだ水よりこちらだろうと、説明するアレルヤを感心しながら頷いていた友人は、夕べ一人寂しく帰って行った。
彼なりに、一度関わった生物に情もあるだろう。
この子の飼い主が見つからないか、もしくは手放してくれたら、彼は自分で面倒みるだろうか。
何時の間にか音は消え、すっかり満足した猫が顔を上げてアレルヤを見ていた。
「もう、お腹いっぱいかい?」
穏やかな笑みと声に、ニャッと短い返事が返ってくる。
「僕はそろそろ出掛けるけど、留守番できるね?良い子にしてたら、御土産買って来るよ」
骨ばった手で頭を撫でてやると、目を閉じて何度も掌に擦り付ける。
流石に袖口にまでマーキングが始まると、アレルヤはやんわりとした手つきで延々続くかと思われた行為を遮った。
じゃあ、と玄関に急ぐアレルヤを追い越し、軽い足取りで先回りした猫は、前足でドアを叩く。
叩いてはアレルヤを見上げ、また叩く。
まるで開けろ、と言っているかのようだ。
外に出たいのか?
疑問に思いつつもドアを開ける。
途端、足元をすり抜けた猫は一目散に廊下を走り抜け、階段を目指した。
ああそうか。きっと、ご主人の元へ帰ったのだ。
ロックオンの残念がる姿も浮かんだが、その可愛いらしい行動が笑を誘う。
後をつければ、何処の部屋へ向かったか分かるとか、そういう思考には一切至らなかった。
鍵をかけようとしていたティエリアの足元に、何かが突進して来る。文字通り体当たりだ。
何事かと視線を落とせば、視界の隅で白と黒の毛玉が蠢く。
昨日ベランダから出て行った筈の猫が、そこにいた。
「帰って来たのか!」
ドアを開けてやると、当然のような足取りで奥へと向かう。絨毯の真ん中に座り込み、平然と毛繕いを始めた。
そのふてぶてしさに、思わず笑いが漏れた。
「じゃあ出掛けて来るから、留守番してて」
喉を一撫でし、部屋を後にする。
エントランスで、ちょうど同じように出掛けようとしていた男性と出くわし、どちらからともなく会釈を交わした。
「いない、か…」
コンビニの中を一巡りし、目当ての人物の不在を確かめると、ロックオンは明らかに期待外れだと目を伏せる。
夕べもいなかった。
バイトだから、シフトの関係で擦れ違っているのだろう。この時間なら学校とかかもしれない。
諦めて適当な商品を持ち、レジへと向かった。
夜になったら、またあの動物好きな友人と愛らしい生物にでも会いに行くか、と呟きながら。
ティエリアは授業を終えると、一度マンションへと戻る。
バイトの前に猫にご飯を食べさせる為だ。
入口で靴を脱ぎ、スリッパに履き替えていると、物音に気付いたのか中から出て来た影が、擦れ違うように脇を過ぎった。
止めるまもなく唖然と立ち尽くすティエリアには目もくれず、猫はまたしても何処かへ消えた。
「遅い!」
罵声と共に出迎えられたアレルヤは、玄関前に仁王立ちする男に苦笑した。
今朝出て行った筈の猫を腕に抱え、痺れを切らして待ち構えていたのだ。
猫はお腹が膨れ、一通り毛繕いを終えると、丸まって眠り始める。
「何なんだろうな、コイツ」
ロックオンはテーブルの上にだらしなく肩肘をつき、空いた方の手でフォークを振り回す。
本日の夕食はパスタ。
やはり、例のコンビニの袋だと横目で確認出来る。
彼は汚れた口元を丁寧に拭い、猫の方に向き直った。
「なあ、なんでコイツ外にいたんだ?」
「今朝出掛けに、出て行ったんだよ。てっきり、飼い主の元に帰ったと思ったんだけど」
「ふうん…」
食べ終わった容器を片付けながら、彼は眠る猫をもう一度見た。
「また、戻るかもしれないね。何なら手紙でも書いて、持たせてみる?飼い主が分かるかもしれないよ」
「俺が書くのか?」
「最初に猫を見つけたのは、君でしょ」
「今面倒見てるのは、お前だけどな」
それもそうだ、と大声で笑うアレルヤは楽しんでいる。
ロックオンも、面白いかもしれない、と思った。
この猫が帰る場所で待っている相手というのにも、ちょっと興味があった。
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HN:
あかり
性別:
非公開
職業:
猫好き
趣味:
読書、ものを作ること
自己紹介:
ガンダムOOのパロディ小説がメイン。
基本はロックオン×ティエリア、甘くはないです。
更新はマイペース。気長にのんびり、大きなお心でお付き合い頂けると嬉しいです。
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